⻭周病は知らず知らずにやってくる

皆さんこんにちは、学芸大学にある碑文谷さくら通り歯科クリニック院長の太田です。
今月の「歯の話」は「歯周病について」です。

歯周病はかつては歯槽膿漏と呼ばれることが多かった病気で、症状の進み具合で「歯⾁炎」「歯周炎」などともいわれます。字からわかるように、歯の周りの歯⾁や歯槽⾻など歯を⽀える歯周組織が炎症を起こす病気で、むし歯と違って歯そのものが侵⾷されるというわけではありません。重度の歯周病では歯が抜け落ちてしまうところまでになってしまいますが、その進⾏は遅く、最初は痛みもないので、気づくのが遅れがちになります。

歳を重ねると歯も抜けるという考えは当たり前のようですが、年を取ったら必ず歯が抜けてしまうということではありません。
歯周病に関していえば、若いうちに発症していて、気づかないまま⼗分なケアをしなかったがために、数⼗年後にを失うことがあります。
歯周病の症状のなかで、もっとも軽度なものは「歯⾁炎」と⾔われ、歯⾁に炎症が起こった段階を指します。この炎症によって歯⾁溝という歯と歯⾁の間の溝が深くなります。この溝は歯周ポケットと呼ばれ、ここには歯垢がたまりやすく取り除きにくいので、歯周病菌の繁殖から⾒ると絶好の環境となります。
この歯⾁炎の段階では、ブラッシングのときに出⾎があったり、知覚過敏の症状が出ることがあります。
しかし、症状が進むと、歯と歯⾁の結合部まで溝が深くなり、その付着がはがれてしまう状態(アタッチメントロス=付着の喪失)となり、ますます溝は深くなります。この段階となると元の健全な歯⾁に戻すことは⾮常に困難と⾔わざるを得ません。
歯周ポケットの深さは、歯周病の症状と相関関係が深く、病気の進⾏の⽬安となります。歯⾁が健康な状態であれば、歯周ポケットは1〜3mm程度です。それが歯周病が進⾏すると5mm以上となり、重度になると10mm以上にもなることがあります。
さらに歯周ポケットが深くなり、セメント質、歯根膜といった歯周組織まで炎症が達すると、「歯周炎」と呼ばれる状態となり、もっと進んだ状態になると歯槽⾻という歯の⼟台⾻まで溶かしてしまいます。歯は⼟台を失ってグラグラになり、ついには抜け落ちてしまいます。

歯周病予防についても、⼤切なことは⽇常のブラッシングなど歯とお⼝のケアになります。正しいブラッシングでプラークを取り除き、それでも取り切れない歯垢は、定期的に歯科医院で取ってもらって、歯茎の健康を守りましょう。

歯周病の進行過程

正常な場合

歯周ポケットは1~2㎜
骨のレベルも高く歯肉にも炎症の所見は見られません。

歯周炎

歯周ポケットは2~3㎜
骨の吸収はほとんど見られませんがやや歯肉に発赤と腫脹が見られます。

軽度歯周病

歯周ポケットは3~4㎜
やや骨の吸収が見られ、歯肉にも発赤と腫脹が見られます。また、それに伴ってやや深い歯周ポケットが見られます。

中度歯周病

歯周ポケットは5~6㎜
骨の吸収が歯根の半分程度まで進み、少し歯の動揺が見られます。歯肉の発赤、腫脹がさらに多くなります。

重度歯周病

歯周ポケットは6㎜以上
骨の吸収が進行し歯を支えることが困難になってきます。歯肉の発赤、腫脹がひどくなり出血や排膿も見られます。

歯周病末期

自然に抜けてしまいます