矯正歯科

矯正治療について

誰かとお話しする時、笑顔を見せる時、ふと見える口元はその人の印象に少なからず影響するものです。
「芸能人は歯が命」という一昔前のフレーズをご存知の方もいらっしゃると思いますが、昔の映画でも悪役は歯並びが悪く、正義の味方は歯並びを美しくしているのをご存知でしょうか。
それほど口元の印象というのは、相手に大きな影響を与えるものなのです。ご自身やお子様の歯並びの状態をチェックしてみてはいかがでしょうか。

なぜ歯科矯正が必要なのか

1.むし歯や歯周病になりやすい

歯が重なったり凸凹に並んでいると、十分に歯みがきができずに食べかすもたまりやすくなります。そのため、むし歯や歯周病にかかりやすくなります。

2.よく噛めない

歯並びが悪いと正しい咬合ができません。そのために、食べ物を正しくかむことができず、まる飲みのクセがついてしまい胃腸にも大きな負担を与えてしまいます。

3.顎の成長、顔のかたちにも影響する

顎の骨や顔の筋肉は、正しくかむことで発達します。不正咬合だとそれができませんので、顎が未発達になったり、顔が歪んだりする影響がでてきます。美しい容貌や素敵な笑顔を作ることはもちろん、歯などの口腔内や全身の健康を維持するために必要なのです。

4.口もとが気になる

歯並びが悪いとコンプレックスの原因になり、話したり笑うときについ口もとを手で隠したりします。ストレスもたまり、歯ぎしり、肩こり、姿勢も悪くなりがちです。

5.発音しにくい

かみ合わせの状態によって、さまざまな発音障害がでてきます。とくに英語などの外国語の発音が難しくなります。

このように、歯科矯正は健康面とともに精神面の向上を目指すことが目的です。

こんな歯並びは矯正が必要です

上顎前突(出っ歯、反っ歯)

下顎前突(受け口)

空隙歯列(すきっ歯)

叢生(乱ぐい歯、八重歯)

過蓋咬合(オーバーバイト)

開咬(オープンバイト)

交叉咬合(かみ合わせのずれ)

このような歯並びのことを「不正咬合」といいます。
歯科矯正を行う目的は正しい歯並びにすることで、不正咬合によって生じるさまざまな障害や口もとのコンプレックスを取り除くことです。

3段階の矯正治療

矯正治療というと子どもが対象では?と思われるかもしれませんが、大人になってからでも矯正治療は可能です。
歯医者さんによっても治療の進め方や費用が異なりますので、当院の矯正治療についてご説明します。
当院の矯正治療は3段階に分けることが出来ます。

第1段階 3~5歳頃

口輪筋トレーニング

歯は様々な筋肉によって囲まれており、その筋肉を口輪筋と呼びます。外側は唇や頬、内側は舌などの口輪筋のバランスによって歯並びは良くも悪くも影響を受けます。乳歯は永久歯の道標になるもの。この第一段階で口輪筋のバランスを整えます。
具体的には口輪筋トレーニング用のマウスピースを使用します。基本的には就寝時のみ、6ヶ月から1年程使用します。下顎が前に出ているお子様はこの段階で早期に始めることをお勧めします。

筋機能矯正装置

第2段階 6~10歳頃

床矯正

乳歯が生え替わり、永久歯が前歯4本程度揃った時期です。既にこの段階で歯が前後したり、他の歯が入るスペースがない場合があります。これは顎の大きさが小さいためで、歯の大きさは普通でも入るスペースが無くなるのです。この場合、顎を拡げる装置が必要になります。(輪郭が変わるほど拡げることはありません。数ミリの拡大です。)それが床矯正と呼ばれる、床の付いた拡大装置です。取り外しできるものと固定式のものがあり、その組み合わせで歯の入るスペースを確保します。
この段階で矯正をスタートする利点は、成長期ですので顎の成長を利用してスペースを確保できる点です。つまり、抜歯することなく歯がきれいに並ぶ可能性が高くなるのです。
期間は6~18ヶ月程度です。

床矯正

第3段階 11歳頃~

ブラケット矯正

ほとんどの歯が永久歯に生え替わった段階です。大人の矯正と同じで歯の入るスペースがない場合は、抜歯して矯正治療する必要があります。抜歯することで歯のスペースを作り、出っ歯や反対咬合を治します。
期間は2年~3年程度です。

ブラケット矯正
矯正治療の流れ

子どもの矯正~正しいかみ合わせへ導く~

何が違うの?子供の矯正と大人の矯正

大人の矯正は今ある歯を綺麗に並べていくのに対し、永久歯が生え変わる12歳以下の子供の矯正は、その後生えてくる永久歯の歯並びを矯正する目的で行われます。

上下のあごの大きさや位置のバランスを整え、かみ合わせのズレを正し、また顎の成長を促すことにより将来生えてくる永久歯がきれいに生えてくるスペースを確保する治療が主になります。

よくみなさまから「何歳くらいから矯正をはじめたら良いの?」という質問をいただきます。実は、『これ』という答えはありません。

一口に歯並びが悪いといっても、上図で示したように、受け口(反対咬合)や出っ歯(上顎前突)、乱ぐい(叢生)など色々なケースがあります。これらはそれぞれに治療スタートに適した年齢(時期)があります。

できるだけ早いうちに見せてください

望ましいのは「できるだけ早いうちに見せてください」ということです。
その方に応じたアドバイスもできますし「もう治療をはじめたほうが良いですね」という人もいれば「まだ時期が早いので一年後にまた見せてください」と定期観察になる人もいます。さらに早期に治療をスタートすると歯を抜かなくても並べられる可能性が高くなる、という大きなメリットもあります。
とはいってもご家庭では判断が難しいと思いますので専門医による相談をおすすめします。

当院では月に一回、毎月最終の水曜日に矯正専門医による無料相談を行なっておりますので、歯並びで気になることがございましたらお気軽にご相談下さい。

咬合誘導

子どもの歯列矯正は、咬合誘導とも呼ばれ、正しいかみ合わせへの誘導のために行います。
子どもの時期に、大人のかみ合わせを想定しながら、将来永久歯がうまくかみ合うような治療を行います。

子どもだからできる骨格性の治療

かみ合わせの不調和は大きく分けて、歯が原因のものと、骨格(顎)が原因のものに分けられます。子どもの矯正の特徴は、後者の骨格的な原因の不調和を治療しやすいことです。大人になってからでは、抜歯や手術を要するような症例でも、骨が柔らかい成長途中の子どものうちに治すことで、より自然に症状を改善できます。

筋機能矯正装置(機能的顎矯正装置)対象年齢 6~12歳

下の写真は筋機能矯正装置(マウスピース)により顎の成長を促し歯の生えるスペースを確保して矯正を行いました。
成人矯正のようにバンドを付けるのではなく、マウスピースで歯並びを整える事ができることもあります。

筋機能矯正装置は「かみあわせ」と「歯ならび」を改善すると同時に、機能的な側面「口呼吸から鼻呼吸へ」を非常に重要と考えています。
筋機能矯正装置を使って行う独特な機能的トレーニング法は、この「口呼吸から鼻呼吸へ」の改善を促します。
この改善がお子様の歯ならびだけでなく成長・発育にもとても大切だと考えています。

対象年齢
一般的に上下の前歯が揃い始める6歳くらいから7番目の歯が生え揃う12歳くらいまで。
筋機能矯正装置

筋機能矯正装置

治療期間
2年間
費用
200,000円(税別)
年齢(矯正開始時)
6歳

治療前
下の前歯の歯並びが不揃い、噛み合わせが深い小学1年生のケースです。
日中1時間と就寝時に筋機能矯正装置を装着して頂きました。

筋機能矯正

上顎

筋機能矯正

正面

筋機能矯正

下顎

治療後
歯の生える土手部分の成長を促し歯が並ぶスペースができることにより歯並びが改善しました。

筋機能矯正

上顎

筋機能矯正

正面

筋機能矯正

下顎

筋機能矯正装置の使い方

日中:
できるだけ長い時間装置を入れて過ごします。このとき、基本はお口を閉じるようにしますが、もちろんおしゃべりをしても問題ありません。
就寝時:
装置を入れたまま、お休みください。

トレーニングを併用することでさらに治療効果が高まります

  • 舌・口元のトレーニング
  • 発音のトレーニング
  • 水を飲み込むトレーニング
メリット
  1. 歯を抜くなどの負担がお子様にかからない
  2. 矯正期間中の痛みや煩わしさからお子様が解放される
  3. ブラケット矯正治療と比べて経済的
  4. 自宅での装着トレーニングのため矯正していることが人に知られない
  5. 口呼吸や唇をかむ癖を直すことができる
  6. 装置は取り外し式なのでお口のメンテナンスが簡単にできる
  7. 装置が簡単で携帯できる
デメリット
  1. ご自宅でのトレーニングが必要のため、怠ると歯並びがよくならない(1日2分のトレーニングと夜寝る時の装着が必ず必要)
  2. お子様が装置を入れていないと治療が進まない(お子様だけにお任せできないのでご家族の協力が必要不可欠)
  3. 必ずしもすべての方に適用するとも限りません(先生との相談が必要)
  4. 筋機能矯正を行っても、大人になってから再度矯正が必要になることがある
  5. 場合によっては拡大装置が必要になる場合もある

歯並びが乱れる癖や習慣

指しゃぶり

爪や唇をかむ

口呼吸

舌で歯を押す

片側だけでかむ

頬杖をつく

癖の改善も重要

小さなお子様は、指しゃぶりなど生活の中での癖が、知らず知らずかみ合わせに影響を及ぼすこともあります。こういった癖の指摘や改善も子どもの矯正の大事なポイントです。

成人の矯正~大人になっても大丈夫~

すてきな笑顔をごほうびに

この数年、成人矯正をされる方は大変増えました。
子どものころ、矯正ができなかったため、大人になってから行うという方や、受験などが一段落した大学生の患者様が多いようです。
矯正治療をされることで、笑顔に自信を持つことができ、よりいきいきと社会生活をされている方がたくさんいらっしゃいます。お仕事や受験をがんばった自分へのご褒美に、すてきな笑顔を手に入れてみてはどうでしょうか。

成人でも変わりはなく治療可能

成人矯正は本当にうまくいくのか、と心配される声も多いようですが、大人になってからでも矯正治療を受けることは十分にできます。
もちろん、骨格性の問題がある場合は、子どもの矯正よりも自由はききません。しかし、大抵の治療は子どもの矯正と変わらず行えます。
お仕事や学校など、矯正装置をつけて生活されることに不安を持たれている方もいらっしゃることと思います。丁寧にご説明しながら治療していきますので、ご安心ください。

矯正の治療スケジュール

歯科矯正の始まるまで

1.初期相談

現在の問題点や悩みをお聞きしながら診察し、歯科矯正の概略・期間・費用などを説明いたします。

2.精密検査

診断に必要な頭蓋全体のレントゲン、歯列の模型、写真等の資料をとります。症状によっては顎関節のレントゲンや顎の動きの機能検査もします。

3.検査の説明

精密検査の結果をもとに治療方針・期間・費用の詳細の説明をします。

このように歯科矯正は健康面とともに精神面の向上を目指すことが目的です。

歯科矯正の開始

4.歯みがき指導とクリーニング

治療中にむし歯や歯周病にならないように予防処置をします。既にむし歯や歯周病がある場合には治療します。

5.動的治療:半年~3年位

矯正装置を装着して歯を動かし段階的に治療を進めます。装置の装着後は3~4週間ごとに通院します。

6.静的治療(保定):2年位

動的治療を終えてから、かみ合わせが安定するまで保定装置を使い、移動した歯をしっかり安定させます。

矯正装置について

矯正装置には、取り外しのできるタイプと固定式のタイプなど多くの種類がありますが、一般的には固定装置を使います。代表的なものは、金属製のメタルブラケットや目立ちにくいセラミックがあり、歯の裏側からつけることのできる装置もあります。装置にはそれぞれの特徴があるので、患者様の年齢、不正咬合の状態・程度、お仕事等を考慮して、使用する装置を選択します。

取り外しのできる装置

顎外固定

主に家庭内で使います。

チンキャップ

フェイシャルマスク

ヘッドギア

保定装置

歯の移動を終えた後、しばらくの間は歯が元に戻ろうとする性質があります。
これを防ぐために、動的治療後は保定の為の装置をしばらく使用します。保定装置は取り外しできますので、食事の時などは外します。

保定装置

保定装置(装着時)

固定装置

セラミックブラケット金属ワイヤー

セラミックブラケット審美ワイヤー

リンガルブラケット(歯の裏側に装着)

透明なマウスピース型矯正装置

歯列矯正といえば一般的に、歯にブラケットと言われる四角い部品を貼り付けてワイヤーを通して歯並びを整えていく治療が思い浮かぶでしょう。
新しい治療法であるマウスピース矯正とは、透明な治療用のマウスピースをはめていただくことによって歯並びを整える治療法です。
マウスピース矯正の中でも歯の移動方法など独自のノウハウを持ち適応範囲が最も広いシステムがインビザライン矯正システムです。
(ブラケットの見た目が気になる、結婚式などを控えている方、10代の方など部活動で激しい運動をする、また吹奏楽などの楽器演奏をする方などにおすすめの取り外し可能な矯正装置です。)

マウスピース矯正のメリット

1.目立たない

透明なマウスピースをはめるだけの治療ですので目立たず、マウスピースを装着した状態で人と会話をしても相手に気づかれることはほとんどありません。
営業や接客などの人と向かい合ってお話をするお仕事の方に特にお勧めの治療方です。

2.取り外し可能

食事の時は取り外して食べられるので食べ物の味や食感を損なわずに食事を楽しんでいただけます。食後は、今まで通り歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスを使って歯を磨くことができます。
(ワイヤー矯正の場合、歯磨きが難しくうまくお手入れができないと、器具の周りにむし歯ができてしまうことがあります。)

3.痛みや違和感が少ない

矯正治療では歯を動かすことによって痛みを感じることがありますが、一般的なワイヤー矯正よりもマウスピース矯正の方が痛みが少ないと言われています。
またブラケットを装着するワイヤー矯正の治療時に頻繁に見られる口内炎もマウスピース矯正であればほとんど起こりません。

4.治療のゴールが見える

インビザラインの特徴は治療前の歯型を元にコンピューター上で理想の歯並びを作成し、治療のゴールや期間を設定します。微調整を繰り返し、治療のゴールが決まったらゴールまで全てのマウスピースを一度に作成して治療に入りります。このため治療が始める前に患者様もコンピューター上の3D画像で治療のゴールを見ることができます。

5.金属アレルギーの心配がない

マウスピース矯正は金属のブラケットやワイヤーを使いませんので、金属アレルギーの心配がありません。(稀に一部金属を使用する場合がありますが、使用する場合は事前に相談いたします。)

6.むし歯予防にも利用できる

就寝時に矯正用のマウスピースの中にフッ化物ジェルを入れて寝るだけでむし歯予防の効果が高まります。

7.ホワイトニングにも利用できる

就寝時にホワイトニングジェルを入れていただければ矯正治療を行いながらホワイトニングを行うこともできます。
※むし歯予防とホワイトニングは同時に行うことはできません。先にホワイトニングを行い希望の白さになったらフッ素を使って歯質強化することをお勧めします。

マウスピース矯正のデメリット

1.マウスピースの装着時間を守らないと歯が動かない

歯科医院でワイヤー、ブラケットを装着したら、次回受診するまで自分では何もしないワイヤー矯正と違い、取り外し式のマウスピースを次々に交換して理想の歯並びに変えてゆく治療ですので、食事や歯ブラシの時は外して洗浄をし、1日に20時間以上装着しないと歯が計画通りに移動せず治療の失敗に繋がります。
ご自身で規定時間マウスピースを装着する自信の無い方にはおすすめできません。

2.治療できないケースがある

患者様の歯並びやお口の状態によっては、インビザラインでは治療できないことがあります。インビザライン矯正には、従来の矯正とは異なる特有の知識と技術が必要ですが、知識や経験の浅い歯科医が無理な治療計画を立てて失敗するケースも出ているようです。
治療計画を立てるドクターによって、インビザラインの効果や治療結果には大きな差が出ます。途中で転院はできませんので、インビザラインで失敗しないためにも、医院選びはとても重要です。

薬事承認について

インビザラインは、アメリカのアラインテクノロジー社より提供されている、カスタムメイドの矯正装置で、これまで世界80か国以上で400万人以上の治療実績があります。(2016年10月時点)
インビザライン・システムは、FDA(アメリカ食品医薬品局)の医療機器として認証を受けているマウスピース装置で、ISOを取得している最新の工場で製造されています。
日本において、インビザラインのマウスピース型矯正歯科装置は、それぞれの患者様ごとに作成している装置で、市場流通性がないことから、薬事法上の医療機器にも、歯科技工法上の矯正装置にも該当せず、医薬品副作用被害救済制度が適用されない場合があります。

矯正治療Q&A

よくいただく質問

Q1.矯正は何歳ごろから始めるのがよいのですか?

A.どの人にもあてはまるような年齢はありません。しかし、歯並びの乱れが成長期(8歳~14歳)に著しく認められる場合は、すぐにかかりつけの歯科医師にご相談ください。

Q2.大人でも治療できますか?

A.成人の方でも歯科矯正を受けている方はたくさんいらっしゃいます。最近では、中高年の患者様も多くいらっしゃいます。

Q3.矯正のために歯を抜くことはありますか?

A.基本的には抜かない治療を心がけますが、とくに凸凹がひどい場合には歯を抜くこともあります。しかし、抜いた隙間が残ることはありません。

Q4.口の中に装置を入れると痛くありませんか?

A.始めて装置をつけた時には、3~4日歯が浮いたような痛みがありますが、我慢できない痛みではありません。その痛みも1週間ほどで慣れます。

Q5.歯科矯正中にむし歯ができたらどうなりますか?

A.むし歯になったら、その部分だけ装置を外してむし歯の治療を行います。その分、治療期間も延びてしまいますので、むし歯にならないように丁寧にブラッシングしましょう。

Q6.治療期間と費用はどのくらいですか?

A.治療内容によって期間や費用は異なります。一般的には動的治療に1~3年、治療後の保定で1~2年程度かかります。費用は歯科医師にご相談ください。