高齢者の口腔ケア 2 ~要介護者の口腔ケア~

 高齢者の方をお世話することは、広く生活全般にわたり、身の回りのことから食生活、生活環境、リハビリや医療関連のケアなど、あげればキリがないほどです。
 そのようななかでお口のなかの世話まで・・・ということかもしれませんが、お口はからだの入り口です。さまざまな器官とも関わってくるので気を配る必要があります。
 歳を重ねて高齢になるにつれ、思うように歯磨きができず、時間をかけてもご自身ではきれいにできなくなってきます。そんなときに介助の方の手を借りれば、短時間できれいにできるのでやっていただければよいかもしれません。
 しかし、リハビリテーションの観点から見ると、できる限り自分で磨くことが重要です。歯ブラシの柄が細くて、うまく握れないのであれば、握りの太いものに替えたり、電動歯ブラシを試してみたりして、できるだけ自分でできるよう工夫しましょう。
同じように入れ歯の清掃・洗浄もご自身できるところまでやってもらって、自立を支援しましょう。

 介護度が高くなって、ご自身では磨けなくなってしまった高齢者には、介護者がブラッシングを行います。歯ブラシのヘッドは小さめのものを使い、毛先の柔らかいものを選びましょう。

ブラッシングをするときには、姿勢に注意を払います。高齢者自身が無理のない楽な姿勢でいられること、介護者が口のなかがよく見えるようにすること、誤嚥・・・誤って食べ物や唾液が気管に入ってしまうことの防止のため、寝たきりの方でち30度以上は起き上がるようにする・無理な場合はからだを横向きにして、顔をやや下に向けること、などです。
 口の渇きや口臭、舌苔(ぜったい)、口腔力ンジダ症の予防を考えて、歯の清掃のみならず、舌や粘膜の清掃も忘れないようにします。

 また、最近はいろいろな口腔ケアグッズが市販されるようになってきました。なかには使い方が簡単で便利なものもあります。お値段も手ごろなものからあります。そういったグッズを使うのもよいかもしれません。
スポンラブラシ・・・水などに湿らせて使用します。歯の表面、歯ぐき、口蓋、舌の汚れを効果的に取り除くことができます。
ガーゼ付き手袋・・・手袋状になっていて、口の中の食べかすや歯垢をふき取れます。
口腔内清掃ブラシ(クルリーナブラシ)・・・毛で覆われた球面ブラシで、クルクルと回しながら清掃します。
粘膜ブラシ・・・部分入れ歯や義歯を外した後の口腔内粘膜、残った歯の周辺や舌などを清掃します。
舌ブラシ・・・舌苔を効果的に取り除くことができます。

 口腔内を清潔に保つことは、口からの疾病を防ぐだけでなく、毎日お食事を楽しみ、おしゃべりに興ずるという、豊かな生活を送るための大きな手助けとなります。